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栄養科

治療食の説明

病気の種類や状態によって、お一人おひとりに適した食事療法があります。ここでは一般的な内容を掲載しておりますが、実際には専門家による栄養相談を受けることをお勧めします。

標準体重とは

体重は増え過ぎると膝や腰への負担だけでなく、生活習慣病などのさまざまな病気の一因となります。一方、減り過ぎると体力の低下につながります。ご自分の身長に見合った標準体重を知りましょう。

BMIとは

BMIは、身長からみた体重の程度を示す体格指数で、「Body Mass Index」の略です。
ご自分の肥満や、やせの度合いが分かります。BMI25以上が肥満とされます。肥満をおこすと生活習慣病になりやすく、それ以外にも肥満は驚くほど様々な病気をまねく要因となります。

糖尿病の食事

血糖のコントロールを良くし合併症を予防するためには食事療法が欠かせませんが、糖尿病食は「健康長寿食」といわれるように、だれにでも基本となる食事です。特に肥満が原因の場合は、食事や運動などの生活習慣の改善が重要です。主治医の先生の指示のもと、管理栄養士と相談しながら食生活を改善していきましょう。

また、定期的な尿検査で合併症の一つである腎症が見つかった場合は、減塩、たんぱく質の調整(制限)などの食事療法に切り変える必要があります。

高血圧の食事

血圧が高いと脳や心臓、腎臓、全身の血管への負担が大きくなり、さまざまな病気に関わります。血圧を下げるためのポイントは「体重管理」「減塩」です。体重が減るだけでも、血圧は下がりやすくなります。また、減塩と言っても極端に味を薄くするのではなく、ちょっとした工夫で十分美味しく減塩できる方法があります。

脂質異常症の食事

血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪(TG)が増えすぎたり、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減りすぎた状態を「脂質異常症」といいます。体質が関わる場合もありますが、肥満が原因であることも多く、食事や運動などの生活習慣の改善が重要です。欧米型の食事のように、ご飯や野菜が少なく、肉や卵など動物性食品が多い場合がよく見られます。また、外食、総菜の選び方やアルコール、間食などの影響もありますので、一度食生活を見直してみましょう。

心臓病の食事

心臓病にはさまざまな原因がありますが、食事や運動などの生活習慣が大きく影響を受ける場合も少なくありません。食事の基本は高血圧食と同じです。肥満がある場合は、心臓に負担をかけるため適正体重に向けた食事管理をしましょう。さらに、医師より水分制限や適切な運動の指示がある場合にはそれらを守りましょう。

腎臓病(保存期:透析が始まる前)の食事

腎臓病の食事内容は、病気の状態に応じて変わってきますが、基本は「減塩」「たんぱく質(肉や魚などのおかず)の調整(制限)」です。また、体重を管理することも大切です。尿量が減ってきて、急な体重の増加が見られる場合は浮腫(むくみ)が疑われます。

ご自分が実際にどれくらいの食事量を摂ってよいのか分からない場合には、医師の指示のもと、管理栄養士の栄養相談を受けることをお勧めします。

腎臓病(透析期)の食事

透析が始まると保存期の腎臓病食から透析食へ切り変えとなり目安の量が変わりますが、塩分の摂り方などの基本的な考え方は腎臓病食と変わらず、水分やリン、カリウムを含む食品の摂り方にも注意しましょう。また、血液透析、腹膜透析に合わせて医師の指示のもと、管理栄養士と相談しながら、食生活の見直しをしましょう。

肝臓病の食事

肝臓病にはその原因がウイルス、アルコール、自己免疫などがありますが、最近では肥満などの食習慣の乱れが原因の場合が増えています。病気の状態によっても食事内容は違ってきます。共通点としては、肥満はよくありませんので「バランスのよい食事」で体重を管理しましょう。

C型肝炎ウイルスが原因の場合には、鉄を多く含む食品(レバー、シジミ、海草やサプリメントなど)を控えた方が良いとの報告があります。アルコールが原因であれば禁酒が重要です。

肝臓の機能が低下した場合には、「たんぱく質」や「塩分(腹水がみられる場合)」を控える場合もあります。また、「アミノ酸製剤と食事」を組み合わせた方法や、「夜食(LES食)」を取り入れる方法もあります。

ご自分が実際にどれくらいの食事量を摂ってよいのか分からない場合には、医師の指示のもと、管理栄養士の栄養相談を受けることをお勧めします。

潰瘍性大腸炎の食事

潰瘍性大腸炎は、腸に炎症を生じる病気の一種です。食事の内容は、増悪期(下痢、腹痛、血便などの症状がみられる場合)と、緩解期(症状が安定している場合)で異なり、それぞれの症状にあった食事をすることが大切です。

増悪期のポイントは、「脂肪(油脂)を控える」、「消化しにくいものや刺激の強いものを控える」です。緩解期となり症状が落ち着いてきたら、「バランスのよい食事」に心掛ければ特に制限はありません。しかし、肥満や食生活の乱れによる再燃(再び増悪期に入ること)を予防するためにも、動物性脂肪の摂りすぎや野菜不足など極端に偏った食事には注意が必要です。

クローン病の食事

クローン病は、腸に炎症を生じる病気の一種です。その治療は食事とも深く関わります。症状がひどい場合には食事を一時中止して腸管を休ませ、点滴による治療を行うこともあります。また、脂肪を含まず消化する必要のない栄養剤(薬剤)を食事代わりに使ったり、食事と組み合わせて飲んだりする場合もあります。

食事のポイントは、「脂肪(油脂)を控える」、「消化しにくいものや刺激の強いものを控える」です。また、やせ過ぎたり太り過ぎたりしないよう体重を管理することも重要です。状態によって食事内容が違ってきますので、医師の指示のもと、管理栄養士の栄養相談を受けることをお勧めします。

慢性膵臓病の食事

慢性膵臓病の場合、食事のポイントは「脂肪を控える」、「なるべく消化によいものを食べる」です。脂肪を控えるためには、「揚げる」、「炒める」などの油料理や、食品自体に脂肪を多く含む肉や肉加工品、脂身の多い肉類、乳製品、洋菓子などを少なくすることが大切です。

アルコールや刺激物は控えましょう。また、極端な食事をすれば、それだけ膵臓に負担をかけ症状を悪化させることにつながりますので暴飲暴食を避けましょう。

胃切除の手術後の食事

手術によって胃が小さくなった場合の食事のポイントは、「よく噛んでゆっくり食べる」、「一度に入らない場合は分けて食べる」です。食事の内容としては、特に制限はありません。何よりも食事を楽しみながら食べる事が大切です。

お困りの際には専門家にご相談ください。

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