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2層検出器スペクトラルCT

日本初!次世代2層検出器スペクトラルCTを導入しました


放射線診断科部長
かたひら かずひろ
片平 和博

この度、熊本中央病院では日本初となる次世代2層検出器スペクトラルCTを導入しました。2016年9月において日本初、アジアでも2台目の導入です。是非このCTの有用性を体感されて下さい。

まずは2層検出器スペクトラルCTの概説です。
 通常のCTでは連続X線を用いて撮影を行います。この連続X線は高いエネルギーから低いエネルギーまで混在するものでそれぞれのエネルギーの特徴を活かすことができません。
 そこで、今回のCTではこの高低のエネルギーを分光するための2層検出器を搭載することで高低のエネルギー毎の画像(仮想単色X線画像)を取得できるようになりました。
 従来では管球側(X線照射側)を異なる電圧に切り替えることによる仮想単色X線画像を取得する装置も存在しましたが、その取得方法に伴う様々な限界も存在していました。
 今回、検出器側で高低のエネルギー毎の情報を分別取得するという画期的な方法を用いることで様々な限界を克服することができるようになりました。


2層検出器スペクトラルCT

2層検出器スペクトラルCTの利点

  1. 通常画像とスペクトラル画像を同時取得可能で、従来のスペクトラルCTでは困難です。
  2. 低エネルギー仮想単色X線画像を用いることで、造影効果が顕著に上昇します。
  3. この利点を利用すると、腎機能障害の患者さんには通常の1/2-1/4の造影剤量で従来CTと同等の造影効果を得ることも可能です(当院ですでに実証済みです)。
  4. 造影後の画像から単純CTの画像を作成できます。
  5. 造影剤のみを反映した画像を取得可能です。肺血流シンチのような画像も取得可能です。
  6. 心臓CTでも石灰化の影響を少なくした画像、プラーク画像、心筋還流画像など従来心臓CTに新たな情報を付加した画像が取得可能です。
  7. 整形分野では、高エネルギー仮想単色X線画像を作成することで金属アーチファクトが低減し、単純CTでも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄の程度が以前のCTよりわかりやすくなります。
  8. 頭部CTでは、従来CTの骨に囲まれた部分のビームハードニングアーチファクトがかなり軽減(実証済み)し、低エネルギー画像を用いることで急性期梗塞の検出感度が上がることが期待されています。
  9. 最後に最も期待される機能は物質分別解析です。すでに尿管結石や胆石の組成解析の報告はありますが、一歩進んで腫瘤の良悪性の鑑別や転移診断に威力を発揮するのではないかと期待しています。こちらは今後検証していく予定です。

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