形成外科は、九州地区においては、まだまだ、なじみの少ない診療科かもしれません。形成外科とは、身体に生じた変形や欠損、あるいは整容的な不満足な部位に対して、手術療法を中心として、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しく改善を行い生活の質 "Quality of Life" の向上に貢献する外科系の専門領域です。
当科では、以下のような疾患を取り扱っていますが、再建手術や褥瘡、難治性潰瘍などの治療においては他科とのチーム医療を重視しております。特に、血行不全が原因となる足部難治性潰瘍は、循環器科との連携により包括的な治療を行います。
- 新鮮外傷(切創、裂挫創、擦過傷、咬傷)
- 切創、裂挫創などの外傷は初期治療が重要です。解剖学的に正確な縫合が行われないと目立つ瘢痕を生じることがあります。また、擦過傷では砂などの異物除去が十分でないと外傷性刺青となります。
- 新鮮熱傷(化学熱傷、電撃症)
- 熱傷は、お湯や炎だけでなく、湯たんぽなどの低温でも発生します。深達度を判定し、それに応じた治療が必要です。
- 顔面骨骨折、顔面軟部組織損傷
- 顔は、複雑な形態と機能を持ち左右対象であるため、わずかな変形が目立つ部位です。的確な初期治療で最小限の瘢痕にとどめることが重要です。それでもなお目立つ傷がある場合には、瘢痕修正術を行います。
- 唇顎口蓋裂
- 口唇組織は、胎生7週頃に形成されます。500人に1人の割合で発生します。形態や発音などの発育を考慮し、口唇形成術を生後3ヶ月頃、口蓋形成術を1歳頃に行います。
- 手、足の先天異常(多指症、合指症、裂手)
- 700人に1人の割合で発生します。機能、形態を考慮し手術を行います。
- その他の先天異常
- 陥没乳頭
臍ヘルニア
漏斗胸、鳩胸
先天性眼瞼下垂
小耳症、耳介変形 - 皮膚・皮下腫瘍(母斑、アテローム、脂肪腫など)
- 黒子(色素性母斑)や脂腺母斑、アテローム、脂肪腫などの皮膚・皮下良性腫瘍、悪性黒色腫や基底細胞上皮腫など皮膚悪性腫瘍の治療を行います。手術による傷をできるだけ残さないような治療を行います。
- 悪性腫瘍再建
- 乳房再建
- 瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド
- 外傷や手術などが原因で生じた瘢痕やケロイドを手術または、保存的療法にて治療を行います。
- 褥瘡、難治性潰瘍
- 褥瘡はと“床ずれ”ともいい、長時間にわたり仙骨部や坐骨部などが圧迫されて皮膚や皮下脂肪、筋組織などが壊死を生じた状態です。重度の場合は、骨の露出を認め感染症により生命の危険を招くこともあります。 褥瘡の治療は、原因の除去(予防)、全身・栄養状態の改善、局所の治療など多角的な方面からのアプローチが必要です。具体的には、体位変換や褥瘡マットなどで予防を行い、基礎疾患の治療・食事療法により創が治癒する体を作ります。そして、局所の治療として消毒や軟膏処置などの保存的治療、植皮や筋皮弁などの外科的治療を進めていきます。このため、治療には長い時間を必要とします。
- 腋臭症
- 脇の臭いの原因の主なものにアポクリン腺の存在があります。手術によりアポクリン腺を減量し、臭いを低減させます。局所麻酔であれば日帰り手術が可能です。
- 眼瞼下垂症
- 瞼を開く筋肉(眼瞼挙筋)や皮膚のたるみにより、瞼が大きく開き難くなった状態です。ハードコンタクトやケガでも生じますが、多くの原因は、加齢によるものです。進行すると頭痛や肩こりの原因となることがあります。局所麻酔での日帰り手術が可能です。
近年、糖尿病の増加により重症下肢虚血(CLI)を含む末梢動脈疾患(PAD)が増加しています。当科での2009年の下肢のPADで血管内治療施行149病変中68病変(45%)が膝下動脈領域でありCLI症例を多く含んでいました。
また、2006年から2009年の間の膝下領域の血管内治療を施行したCLI症例48例(58肢)で、糖尿病が69%、血液透析が40%あり、1.5年での救肢率は88%(大切断率7%)でした。したがってCLIの治療では循環器内科だけではなく、形成外科や血管外科等の各分野の専門医の結集したチーム医療が必要ですが、1施設での対応には限界がありますので、平成21年にPADの診断・治療・ケアーの向上を目的に、循環器内科、形成外科、血管外科、腎臓科(透析科)、放射線科、糖尿病科およびリハビリ科を含む熊本PADネットワークセミナーを結成し熊本中央病院循環器科が事務局となって活動をしています。
今回、当院に形成外科が常勤医として配置されることになり、1施設でもある程度のCLIの集学的治療が可能となり足の血管病の治療やフットケア―を含めて多くの領域に寄与できる体制ができました。
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| 白武 靖久 | 白武 靖久 | 白武 靖久 | 白武 靖久 | 白武 靖久 |

- 部長 白武 靖久
(しらたけ やすひさ)
平成9年卒 - 【専門分野】
形成外科一般・頭頚部再建外科
【指導医・専門医・認定医】
日本形成外科学会専門医
フットケアとは足のお手入れのことです。足の病気は、命にかかわらないため軽視されがちですが糖尿病や動脈硬化症がある方などは、わずかな傷から重篤な事態を生じることがあります。魚の目やたこ、靴擦れ、爪の変形、足が冷える・しびれる、ずっと治らない傷があるなど…このようなことでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
当院では、一人一人に合わせたケアや治療を行います。足の洗い方、爪の切り方など病気予防のアドバイスから足の血流不全が疑われる方には、循環器科・血管外科と協力して血行の改善治療も行います。また、魚の目やたこ、足の変形などで市販の靴が履き辛い方には、フットウエア専門の技師装具士と連携してオーダーメイドの靴を作成しています。(保険適応可)最近は、おしゃれな靴が製作できるため女性の方にもおすすめです。
| 開催日 | 毎週月・木曜日(受付時間13:00~16:00) 上記日時に受診が困難な場合は、形成外科外来(月~金曜日受付時間8:30~11:00)を受診してください。 |
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- 対象
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- 重症虚血肢
- 閉塞性動脈硬化症
- 糖尿病性足病変
- 下腿潰瘍
- 鶏眼・胼胝
- 陥入爪・巻き爪
- 診療内容
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- フットバス
- 鶏眼・胼胝処置
- 爪きり
- 陥入爪・巻き爪治療(ワイヤー療法、根治術)
- 皮膚潰瘍処置
- 下肢血行再建
- 下肢再建術・下肢切断術
- フットウエア作成









